分断されない時間
2008/08/03(Sun)
ひきこもれ―ひとりの時間をもつということひきこもれ―ひとりの時間をもつということ
(2002/11/22)
吉本 隆明

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この本は、昨日近くの古本屋さんで買いました。
300円でした。
100円なら、ためらわず買ったんだけど、
少しためらって、300円で買いました。

2時間くらいで、一気に読みました。
300円でも安い買い物だった(^-^)、と思いました。

最近、ほぼ日を読んでいて、
吉本隆明という人に興味を持ちました。
それまでは、よしもとばななの父、という認識でしかなかったんだけど、
今は、吉本隆明>=よしもとばなな、くらいになってきたような気がします。

最初のほうに、子育てについて書かれた文章があります。
ふむふむ、なるほど!、と思って読みました。
子育てに限らず、人と接する場合、
特に誰かと長く過ごしていく場合は、
ここに書かれた 「分断されない時間」 というものが、すごく大事なことだろう、と感じました。

 ぼくには子どもが二人いますが、
 子育ての時に気をつけていたのは、
 ほとんどひとつだけと言っていい。

 それは 「子どもの時間を分断しないようにする」 ということです。
 くだらない用事やなにかを言いつけて
 子どもの時間をこま切れにすることだけはやるまいと思っていました。

 勉強している間は邪魔してはいけない、というのではない。
 遊んでいても、ただボーっとしているのであっても、
 まとまった時間を子どもにもたせることは大事なのです。
 一人でこもって過ごす時間こそが 「価値」 を生むからです。
                              (「ひきこもれ」より引用抜粋)
 

子どもとの関係、夫婦の関係、家族との関係など、
多くの時間を過ごす人たちの間では、
このことが重要な要素であるんだなぁと思って読みました。

この他にも、自分的に、ためになることがたくさん書かれていました。
やはり300円では安すぎると感じた本でした。
 
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気分転換にエッセイ
2008/07/21(Mon)
心のある家 (講談社文庫)心のある家 (講談社文庫)
(1994/11)
三浦 綾子

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昨日、三浦綾子のエッセイを古本屋から買ってきて、
よしもとばななの小説の合間に、
気分転換的に
ちびちびと読んでいます。

いろんな本の読み方があるんだろうけど
最近では、数冊の本を平行読みすることもあります。
そのときは、長編の合間に短編とか短いエッセイとか、
そういうパターンで読んでます。

今回も、『SLY』 を読んでいて、
エジプト部分の描写が、うまくイメージできなくなり、
気持ちを切り替えるために、エッセイを読み始めました。

そのエッセイの中にある、「夫の名文句」 という話は、次の文章から始まります。

 結婚して三十二年、私たち夫婦には子供がいない。
 が、淋しいと思ったことはほとんどない。
 二人には、お互いにお互いの子供のようなところがあるからだろうか。

 仕事柄、二人はいつも一緒にいる。
 取材旅行も一緒なら、散歩も一緒だ。
 二十数年口述筆記をしている私たちは、ひとつ机に向かい合って仕事をする。
 こんなにいつも二人が共にいて、いっこうに退屈しないのはなぜだろう。
 それは、夫婦の対話が絶えないからではないだろうか。
 話しかけて答えてくれる相手がいることは、すばらしいことだ。
                             (『心のある家』より引用抜粋)


共感できる話でした。
このあとに続く内容も、とてもよかったです。
(引用すると、膨大な量になってしまうのでカット(笑))


エッセイを読むとき、
その人の心の風景が、自分の中にある心の風景と重なるときがあります。

今でも読み返すのは、
片岡義男の『コーヒーもう一杯』の中の、
「早稲の田に風はほんとに吹いたか」という話。
受験とか大学とか就職とか、悩んでた自分に同調し励まし勇気づけてくれた話でした。

この「夫の名文句」は、それに匹敵する内容です。
もっともっとこういう本との出会いをしていきたいですね。
 
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何か起きないと意味がない
2008/06/09(Mon)
トランヴェール、という雑誌があります。
新幹線の座席にあったものを、かみさんが持ってきたものだけど、
興味深い話が載っていたので、紹介したいと思います。

渡辺貞夫と、
一関市のジャズ喫茶のマスター、菅原さんの対談で、
菅原さんが次のようなことを言っていました。


私たちは、日常にもジャズ的な状況を求めているんです。
どういうことかというと、
すべてタイミングがよくて “ごきげん” という状態。
朝起き抜けに、女房に叱られたらジャズにならない(笑)
いいタイミングでお茶が出て、おいしいものが出る。

(中略)

日常生活が、タイミングよくて気分がいいと、
演奏しなくてもジャズをやったような感じになるんですよ。



こういう感覚、ひじょうーに良くわかる。
すべてはタイミング。
それは、僕がいつも思ってることと同じで、
そう思っている人が、的確な言葉で表現してるのを偶然見て、
これもまた、いいタイミングだ、と一人うなづいていました。


080609_002


渡辺貞夫は、

「何か起きないと、(ジャズをやる)意味がない」

と言ってました。
何が起きても大丈夫、
アクシデントでもラッキーでも、
自分の身に起きたことを楽しめ! ってことなのかな。
大人ですよね〜。
 
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この3巻を読め!
2008/04/28(Mon)
あんどーなつ 3―江戸和菓子職人物語 (3) (ビッグコミックス)あんどーなつ 3―江戸和菓子職人物語 (3) (ビッグコミックス)
(2006/10/30)
西 ゆうじ

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ビッグコミックオリジナルを買って、
まず、最初に読むのが、
この 「あんどーなつ」 です。

和菓子職人見習いの、
安藤奈津(あんどうなつ)が、
いろんな経験をしながら、一人前の職人になっていく姿が描かれています。

コミックは、6巻くらいまで出ているのですが、
その中でも、この3巻は、自分の大のお気に入りです。

祖母が亡くなるときの話、
彼女の生い立ちが明らかにされる話、
銭湯での話、
それらが、ちょうどこの3巻に収められているんですが、
いつ見ても、涙と感動が一緒についてきます。

単なるマンガなんだけど、
彼女の真摯さや一途さ、そして純粋さに
心打たれてる読者は、
俺とかみさん以外にも多いんじゃないかなぁ。

特に、この3巻は、オススメです。
読んでみたい、と思ってるなら、
この3巻を買ってみて、それから判断して他の巻を買っても遅くないと思います。
 
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『おかあさ〜ん!』 から
2008/01/02(Wed)
デッドエンドの思い出 (文春文庫)デッドエンドの思い出 (文春文庫)
(2006/07)
よしもと ばなな

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 ほんとうは別のかたちでいっしょに過ごせたかもしれないのに、どうしてだかうまくいかなかった人たち。本当の父と母、昔の恋人、別れていった友達たち、もしかしたら、そこには山添さんとの縁も、含まれているかもしれない。

 この世の中にあの会いかたで出会ってしまったがゆえに、私とその人たちはどうやってもうまくいかなかった。

 でもどこか遠くの、深い深い世界で、きっときれいな水辺のところで、私たちはほほえみあい、ただ優しくしあい、いい時間を過ごしているに違いない、そういう風に思うのだ。
(『おかあさ〜ん!』より抜粋引用)

デッドエンドの2作目に位置する『おかあさ〜ん!』という話は、淡々と物語が進んでいって、さらさら、って読んでいたためか、ふーんこんなもんかぁ、って思ってたのですが、一番最後の一節にあった、上の文章を見て、なんだか無性にせつない想いがこみ上げてきました。

人と人との関わり方に、成功も失敗もないとは思うんだけど、環境や境遇、タイミングで大きく変わるんだよね。糸井さんの奥さんの樋口さんが言ってた、「妻子ある人を好きになったのではなく、その男性にたまたま家庭があっただけです」って言葉がなんとなく思い出されました。

同じ時の中に生きているんだから、どんな出会いでも、よかった、失敗ではなかったと思えるように日々を過していきたいですね。
 
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